2019.01.03
だんぶり長者伝説と大日堂舞楽
娘は夢の中で老人に「この川の上流に夫となる働き者の男がいる」と告げられ、出会
った男と夫婦になった。やがて、再び夢に現れた老人の「もっと上流に住めば徳のある人になれる」とのお告げに従い、そこで仲睦まじく暮らした。
ある日、野良でうとうとしていた夫に「だんぶり(トンボ)」が飛んできて2、3度唇に触れた。目覚めた夫はだんぶりを追いかけ、夢で飲んだ美味しい酒を岩陰で発見した。酒は尽きることなく万病を癒した。夫婦は金持ちとなり、娘は成長し継体天皇に仕え吉祥姫と呼ばれた。夫婦も天皇から長者の称号を得て「だんぶり長者」として村人に慕われた。
夫婦の死後、都から戻った吉祥姫は大日堂を建て両親を弔った。傍らに植えた銀杏は天に聳え、正月には都から楽師が集まり舞を披露した。
これが今に伝わる大日堂舞楽(ユネスコ無形文化遺産)の起源と言われている。
(文責 来満さま 12-2)
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