2016.08.05
神田明神、祇園とともに日本3大ばやしといわれる、国指定の重要無形民俗文化財「花輪ばやし」の祭りは、鹿角市の中心街、花輪地区の総鎮守である幸稲荷(さいわいいなり)神社の産土の神に奉納する行事として、毎年8月19・20日の2日間にわたって開催される。
花輪地区10の町内それぞれが、総漆に金箔を施した絢爛豪華な屋台を繰り出す。
町内を曳きまわす屋台では、澄んだ笛の響きに、打ち鳴らされる大小さまざまな太鼓を賑やかにチャンチキが煽る。そして、三味線の奏でる何とも艶っぽい音色が追い打ちをかける。
法被を纏った屋台の若者からは汗が飛び散り、拍子に合わせる声は嗄れ、それでも、熱い気持ちのすべてを注ぎ込む様は、夏の残り火のすべてを集めて、絞り切ってしまうような気迫に満ちている。まさに無我の境地が生み出す芸術だ。(これ、来満さまの素直な感想です。)
屋台の盛り上がりは、観るもののすべてを興奮させ、鹿角の夏を熱く演出するのだ。
町内を曳きまわした屋台は、桟敷が用意され観客で溢れた鹿角花輪駅前の広場に集結する。期待に心をワクワクさせながら観客は屋台を待ちわびる。
そして、屋台がそれぞれの町の勢いを競うように、賑やかに入場してくる。その様子は、屋台が次々と、絵巻物から弾けて飛び出してくるような、荒々しくも、ため息が出るような華やかさがある。
やがて、10台の屋台が揃い、そのすべてが、きらきらと輝きを放って居並ぶ光景が広がる。観客はその美しさに見惚れ、祭りはクライマックスを迎える。
やがて、すべての町内の若者は一つの輪になって、祭りの手締めを行う。
この手締めはサンサと呼ばれる独特のもので「サンサンサントセ オササノサントセ ヨイヨイヨ~イ」と3回繰り返す。そして、祭りは終了する。
日常を取り戻した街には気怠さが漂う。
そして、翌日からの3日間、毛馬内地区では、やはり、国指定の重要無形民俗文化財「毛馬内の盆踊り」が情緒たっぷりにとりおこなわれる。
こうして、鹿角の夏は静かに過ぎ去っていくのだ。
「花輪ばやしの熱狂」と「情緒漂う毛馬内の盆踊り」 ホテル鹿角に泊まって過ぎゆく鹿角の夏をお楽しみください。 ホテル鹿角の湯守神・来満さまが お待ちしておりますぞ!
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