2019.01.08
謡曲の舞台となった悲恋の錦木塚物語
鹿角の地を治めていた狭名の大海の娘、美しい政子姫に一目惚れした錦木を売る若者がいた。
当時、好きな女性の家の門前に錦木の束を立て、女性が受けとれば結婚を承諾したという慣習があったところから、恋い焦がれた若者は雨の日も吹雪の日も欠かさずに政子姫の門前に錦木の束を立てた。その一途な姿に、政子姫もいつしか若者を好きになっていくが、身分の違いを理由に結婚は許されることはなかった。
やがて、立て始めて千束になるという日の朝、疲れ果てた若者は降り積もった雪の中に死んでしまう。悲しんだ政子姫も若者のあとを追う。
不憫に思った大海は二人を夫婦として認め、千束の錦木とともに葬るのである。
その塚は錦木塚と呼ばれて今も鹿角の地にひっそりと佇んでいる。やがて、この悲恋の物語は世阿弥によって謡曲「錦木」として世に広まることとなった。
(文責 来満さま 12-7)
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